通夜や葬儀は故人を偲ぶ大切な場です。慎ましやかな儀礼・マナーに準じることは故人や
ご親族への敬意の表明と言えるでしょう。堅苦しくなる必要はありませんが、最低限のマナーを
ここで覚えておくと役に立つかもしれません。
葬儀参列(弔問)の心構え
身だしなみ
一般の弔問客であれば略式の喪服でもかまわないですが、遺族や近親者、世話役代表(葬儀委員長)は、正式の喪服を着用します。略式の揚合、男性はダーク スーツに黒ネクタイ、黒の靴下でよいでしょう。スーツは、ダブルでもシングルでもかまいません。女性の場合、黒のワンピースかツーピース。和装なら黒の一つ紋の着物、帯やハンドバックなども黒の物を用います。アクセサリーは真珠がよいでしょう。
数珠は、持っている場合左手首にかけるか、房を下にして左手で持ちます。合掌の時には、両手の親指以外の指を輪の中に入れ、親指と人差し指で支えるよう にします。
合掌するときは数珠を両手にかけ、親指で押さえるのが一般的です。焼香の時手のひらの中で数珠をこすりあわせる行為を目にしますが、これは浄土 宗では禁じられています。また浄土真宗の二輪で長房の数珠を使用する場合には、二つの親玉を親指の所ではさみ、房は左側に下げて合掌します。
香典
香典金額は、故人との親しさの程度や土地の慣習、故人の社会的地位などによって違いますが、親戚関係では、両親が死亡したときは10万円、兄弟のときに は3~5万円ぐらいです。近所づきあい程度の場合ですと、隣組などで一軒5,000円。親しい間柄で、最低5,000~10,000円が一般的でしょう。
香典は地味な色の袱紗(ふくさ)に包むようにします。 そして、紗に包むときは、つめを左側にして中央に香典をおき、右、下、上の順にたたみます。そして、表書きの名前を相手側に向けて差し出します。そのあと 会葬者名簿に記帳します。 通夜と葬儀両方に出席する場合には通夜に持参します。 また、お香典の表書きは、宗教によって違うので注意しましょう。
仏式の場合、四十九日までは「御霊前」、四十九日後は「御仏前」と記します。
キリスト教の場合は、「御霊前」「御花料」と記します。
神道の場合は、「御玉串料」「御榊料」と記します。
また、「御香料」「御香資」「御香奠」は中立的な表現として用いられます。
お悔やみの言葉
通夜やご葬儀の際に述べる「お悔みの言葉」は、故人と弔問する側の関係によっていろいろ変わりますが、大切なことはご遺族の気持ちを思いやり、手短に簡潔に故人の冥福を祈る言葉を述べる事です。また、お悔やみの言葉は、近親者、親戚でもきちんと述べるのが礼儀です。故人と親しくされていた場合などは、「お手伝い出来ることはありませんか」と伺うようにしましょう。
≪お悔みは受付で香典を渡すときに述べる≫
お悔みの言葉は、受付で香典を渡すときに述べるのが基本です。ご遺族に対しては基本的には不要です。焼香の際に黙礼だけでも気持ちは十分伝わります。また、近くに行った場合で、ご遺族にお悔やみの言葉を述べる時は悲しみを深めないよう、思いやりの言葉を添えて哀悼の意を表します。心を込めて自然な言葉で、長くならないように気を付けましょう。ご遺族に対して初対面の場合は、個人との関係を述べてからお悔みを述べます。
≪死亡した原因などを聞かない≫
亡くなった原因や状況などについて尋ねてはいけません。病死、事故死、自殺など死因がわかっている場合でも、決してその場で口にしないようにします。
≪言葉少なに、声を低めに述べる≫
声を低めに語尾を落とす程度に述べます。言葉がつかえても問題ありませんが、お悔みのあいさつがすらすら出てくるのは不自然です。心から哀悼の気持ちを伝えれば、ご遺族にも通じるはずです。
焼香
通夜では、僧侶の読経中に焼香をします。焼香回数は宗派で規定しているところがあります。真言宗では焼香3回、線香も3本立てます。真宗大谷派では焼香 は2回、浄土真宗本願寺派では1回、線香は立てないで折って寝かせます。
曹洞宗では焼香は2回、線香は1本です。浄土宗は特にこだわらないようです。
しか し、このような宗派による作法は複雑なので一概にはこれが正しいとは言えません。
自分の宗派の僧侶や寺院に正しい作法を確認するのがよいでしょう。
また、焼香には、立礼の焼香、座礼の焼香がありますが、作法は少し異なります。
立礼の場合、順番が来たらまず焼香台の前に進み、遺族と僧侶に一礼し、続いて身を正して頭を下げてご本尊に合掌拝礼します。
そのあと焼香合掌し、最後にもう一度拝礼し、前向きのまま祭壇から2、3歩退いて元の席に戻ります。
座礼の場合にも腰をかがめて祭壇前に進みます。喪主に一礼してから前に進み、祭壇に向かって頭をさげます。次に膝で前へ進み遺影に向かって合掌してから抹香を右手に取り焼香します。そのあと再度合掌し、喪主に一礼して立ち上がってから退きます。
通夜に参列する
以前は、近親者のみで行うのが通夜、一般の方にも来て頂くのが告別式という役割でした。しかし、最近では仕事などの都合により、夜に行われる通夜に参列するケースが多くなっています。
≪通夜の参列マナー≫
読経の始まる10分前には受付を済ませられるよう到着するようにします。あまり早すぎると祭壇の用意もされていない場合もあります。
数珠を忘れずに持参することにも留意します。また荷物やコートは脱いでから受付しましょう。預かり所のある場合は、貴重品以外を預けるようにします。
そして、到着すると同時に携帯電話の電源を切るようにしましょう。たとえマナーモードでも静かな場所では振動音は聞こえます。
≪受付での手順≫
受付では、受付係りの方に深く一礼し、「この度はご愁傷様でございます」とひとことお悔みの挨拶を述べます。そしてバッグなどから袱紗(ふくさ)に包んだ香典を取り出し、「ご霊前にお供え下さい」と差し出します。最後に芳名帳に記帳します。
※受付がない場合は、ご遺族にお悔みを述べ、霊前にお参りし、祭壇に香典を供えます。
<会場内での振る舞い>
案内に従って祭壇のある部屋に入り、式が始まるのを待ちます。係りの人がいない場合は、前の人に続いて座ります。先客がいれば一礼、そして喪主・ご遺族に一礼と手短にお悔やみを述べ席につきます。
祭壇の正面に僧侶、右側に喪家が着席、一般弔問客は祭壇に向かって左側の席になることが多いようです。通夜では特に席次はこだわりませんが、自分より年配の人が多ければ末席に控えた方が無難です。あらかじめ席次が決められている場合は案内通りに着席します。
僧侶の読経が始まったら静かに聞き、ご遺族、近親者のあと、順に焼香します。
≪通夜振る舞いは辞退しない≫
喪家から通夜振る舞いにすすめられたら辞退せずに一口でも箸をつけます。
そして、タイミングを見計らって静かに退席します。ご葬儀・告別式に出席出来ない場合は、通夜式が終わり退席する際に、出席出来ない事情とお詫びを世話役やご遺族に伝え退出します。
≪遅れてしまったとき≫
やむを得ない事情で遅れてしまったときは遅れたお詫びを述べ、焼香をさせてもらいましょう。すでに受付に人がいなくなってしまった場合は、香典を直接ご遺族に手渡すか、ご遺族の前で祭壇に供えます。
席が定められていないときは末席に着くのがマナーです。ご遺族や世話役などにすすめられたときは、遠慮しないで定席に着きます。
葬儀・告別式に参列する
通夜が、焼香→通夜振る舞い→帰宅と流動的なのに対し、ご葬儀・告別式は開始から終了まで参列するのが基本です。ひとくちに「告別式」と呼んでいますが、本来は「葬儀」「告別式」と分かれているものでした。しかし最近では2つを続けて行うのが一般的です。
≪ご葬儀・告別式の参列マナー≫
開始10分前には受付を済ませるようにしましょう。一般会葬の場合は、ご葬儀に遅刻したり、僧侶の読経が始まってから入室するのはマナー違反です。
仏式の場合は、数珠を忘れずに持参することにも留意します。また荷物やコートは脱いでから受付しましょう。預かり所のある場合は、貴重品以外を預けるようにします。
そして、到着すると同時に携帯電話の電源を切るようにしましょう。たとえマナーモードでも静かな場所では振動音は聞こえます。
≪受付での手順≫
会場に着いたら受付をします。受付では、受付係りの方に深く一礼し、「このたびはご愁傷様でございます」とひとことお悔みの挨拶を述べます。
そしてバッグなどから袱紗(ふくさ)に包んだ香典を取り出し、「ご霊前にお供え下さい」と差し出します。最後に芳名帳に記帳します。通夜の時などに既に香典を持参している場合は記帳だけで構いません。
※受付がない場合は、ご遺族にお悔みを述べ、霊前にお参りし、祭壇に香典を供えます。
≪会場内において≫
案内に従って祭壇のある部屋に入り、式が始まるのを待ちます。係りの人がいない場合は、前の人に続いて座ります。先客がいれば一礼、そして喪主・ご遺族に一礼と手短にお悔やみを述べ席に着きます。
祭壇の正面に僧侶、右側に喪家が着席、一般弔問客は祭壇に向かって左側の席になることが多いようです。席次などはありませんので、着順に前のほうから詰めて座ります。座敷の場合も後から訪れる方のことを考えて詰めて座ります。ただし、自分より年配の人が多ければ末席に控えた方が無難です。あらかじめ席次が決められている場合は、案内通りに着席します。
僧侶の読経が始まったら静かに聞き、ご遺族、近親者のあと、順に焼香します。
一般参列者は喪主の挨拶が終わり次第退席します。
≪出棺時のマナー≫
一般参列者にとって故人を見送る最後の儀式になります。焼香が済んだら早々式場を後にする人もいますが、出棺は出来るかぎり見送るようにします。
出棺は告別式が終わってもすぐに行われません。その間、一般会葬者は外で待ちますが、久しぶりに会う知人・友人と話し込まないように注意しましょう。また、寒い時期の場合はコートを着ていても構いませんが、出棺時には脱ぎましょう。
棺が運び出され霊柩車に乗せられ、ご遺族の挨拶がありますので静かに聞きます。霊柩車を見送る時は合掌または黙礼します。
≪火葬場へ同行する場合≫
同行を希望する場合は事前に世話役などに話しておきましょう。基本的には、火葬場へ行くのはご遺族や親族などの近親者、特に親しい人になります。直前になって勝手にご遺族たちの車に乗ってはいけません。配車の都合で、乗れる人数が限られている場合もあります。
また、喪主側から「どうぞご一緒に」と声をかけられた場合でも必ずしも同行する必要はありません。同行できないなら「申し訳ございませんが、時間の都合がつきませんので」と丁寧に断ります。
欠席する場合
止むを得ない事情で通夜やご葬儀・告別式に出席できない場合の主な対応は以下の通りです。故人やご遺族との付き合いの深さによって判断しましょう。電話をかけてお悔やみを述べるのだけは避けましょう。
(1)弔電(電報)を打ち、香典を郵送する
(2)お悔やみの手紙を書く
(3)弔電を打ち、代理人に弔問を依頼する
(4)弔電だけを打つ
弔電とは、やむを得ずご葬儀に参列できないときなどに、喪主・親族に対して弔意を表す電報を送ることです。訃報を受けても参列できない場合には、すぐに電報を打ちましょう。遅くとも、告別式の3時間前までに届くように手配するようにします。弔電は電話やファックス、インターネットで申し込むことが出来ます。
弔電は略式かつ形式的なものという面が強いので、生前お世話になった方や、深い間柄の方であった場合には、ご遺族と連絡を取るなどした上で、出来るだけ早い時期に弔問するようにしましょう。

